うつをランニングで克服した話

ダイエット・ヘルス

駆け出し救急医はメンタルが不安定

実は、私が救急医として働き始めたころ、慣れない職場環境や勤務形態で毎日気分が沈んでいたことがありました。
職場に行くのが本当に億劫で、玄関の前で病院に入るかどうか悩む日々…。
仕事に行きたくなさすぎて、現実逃避だったのかは分かりませんが、ひどい睡眠障害にも悩まされていました(私の場合は不眠ではなく過眠でした)。

メンタルクリニックへ受診

アウトドアなことが元々趣味で、休みの日はキャンプや釣りに行くことも多かったのですが、いつしかそれらにも興味がなくなってしまっていました。
このままではいけないと、意を決してメンタルクリニックを受診しました。

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そこで付いたのは「うつ病」の診断。
そこからSSRIによる服薬治療が始まりました。

転職をして環境を変えてみたけれど

これ以上抑うつ状態が悪化してはいけないと、思い切って転職。
休みも多く、人間環境も前職場よりは良好。

比較的働きやすい環境に就職はしたものの、やはり少しのきっかけで抑うつのトリガーが引かれるような状態は継続したままでした。
(医者界はどこに行っても少なからずパワハラはあるんだなあ、と。泣)

うつを自分で対処するための薬以外の方法

抑うつ状態がひどくなると、薬を増やすかどうかを考える必要があります。
ただ、職業柄なのかは分かりませんが、一度始めた薬を漫然と飲み続けるのには抵抗がありした。
(ポリファーマシー(高齢者の多すぎる処方)を日々解決しようと模索している癖でしょうか。)

できれば薬を増やしたくはないな…。
そんなときに、ふとこう思ったのです。

セロトニンを増やせばいいんじゃないか…!

というのも、飲んでいる薬が略してSSRI、正式名称が「セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬」というもので、簡単に言えば脳のセロトニンの働きを改善する薬でした。

だから、そもそものセロトニンを増やせばきっとうつも良くなるはず!
そう思い、たどり着いたのがランニングでした。

ランニングでセロトニンが出るメカニズム

ランニングにおいて、走る時に頭部に衝撃がかかることで、脳から分泌される物質が活性化されるということが研究で示されています。

なんと、マウスが1日30分トレッドミルで走ったことで、セロトニンの受容体が活性化されていることが分かったそうです。

また、これには持続力もあって、仮に1週間ジョギングを続けると、最後の運動から72時間以上1週間までは効果が持続するとのこと。

すなわち、走ることを継続すれば、セロトニンが持続的に活性化される体を得られるということ…!

朝、街の通りを走るアジアの若い女性 - ランニング ストックフォトと画像
Asian young woman running in the city street in the morning

実際にランニングを継続してみたら

それからというものの、約半年間、週に3-4回のペースで1日30分程度は走る習慣を身につけることに成功しました。
すると、メンタルクリニックの定期通院時のうつ状態の程度を測るテストで、なんとかなりの低得点を叩き出す日々が続きました(高得点であればあるほどうつ状態が強いということ)。
主治医からも「これなら薬を減らせそうですね」とお墨付きをいただき、ランニングを始めてからは順調に減薬できるようになりました!

緑の中でリラックスした若い女性 - 元気 ストックフォトと画像
Asian young woman relaxing in the green

確かに毎朝の憂鬱な症状がなくなったのと、仕事でも理不尽なパワハラを受けた際に自分を責めるのではなく、「パワハラなんてする人は辞めさせられてしまえー!」と精神的に強く思えるようになった気がします。

心身ともにランニングで元気になっていく

すべての心の不調がランニングで解決するわけではないと思いますが、


・ランニングでセロトニンが活性化すること
・「何かを継続して行えている」という自信がつくこと
・手頃に行えて気分転換になる趣味を獲得できること

以上のことからランニングは心身ともに元気になる素晴らしい習慣だと思っています!
ぜひ、皆さんもランニングを始めてみてはどうでしょうか!

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